2026年7月第2週は、日経平均が反発した一方で、PBR・PERはともにわずかに低下しました。株価は戻しているように見えても、市場全体では過度な評価拡大は進まず、利益成長を重視する流れが続いています。今回は、ボラティリティの低下や米国市場との比較も踏まえながら、「強気相場の質」がどう変化しているのかを整理していきます。


日経平均は戻ってきたのに、PBRもPERも少し下がっとるんやな。
これって相場が弱くなったってことなん?

うん、そこが今週一番面白いところなんだよ、ししょの。
株価は反発しているけど、評価だけが先走る相場じゃなくなってきている。利益成長を伴いながら相場が進んでいるから、市場全体としては少しずつ健全な形に近づいているように見えるね。
📊今週の市場データ比較(7月3日 → 7月10日)
| 項目 | 先週 | 今週 |
|---|---|---|
| 日経平均 | 69,744.07 | 68,557.73 |
| TOPIX | 4,064.60 | 4,036.08 |
| 日経平均VI | 34.11 | 38.13 |
| ドル円 | 161.11円 | 161.73円 |
| S&P500 | 7,483.24 | 7,575.39 |
| NASDAQ | 25,832.67 | 26,281.60 |
| SOX指数 | 12,626.22 | 12,967.16 |
| WTI原油 | 68.38ドル | 71.51ドル |
| VIX | 15.94 | 15.03 |
利益成長が継続
↓
株価は高値圏を維持
↓
PBR・PERはやや低下
↓
過熱感が抑制される
↓
利益を重視する強気相場が継続
今週の市場変動の構造
なぜ市場は落ち着きを取り戻したのか
ししょの、今週は日本株全体では少し調整したように見えるけど、米国市場ではS&P500やNASDAQが引き続き堅調だったね。
一方でVIXは15台まで低下していて、市場参加者の警戒感はやや後退している。
つまり資金は市場から逃げたわけではなく、リスクを取りながらも利益成長を確認できる資産へ向かう流れが続いているんだ。
何が市場構造を変え始めているのか
今週はPBRが1.79倍から1.77倍、PERも17.94倍から17.70倍へ低下した。
これは企業価値そのものが否定されたというより、株価評価が少し落ち着いたことを示している。
ここ1か月を見ると、PBRは1.8倍前後、PERは17倍台後半で安定していて、大きく評価が膨らむ局面ではなくなってきているね。
利益の積み上がりに合わせて株価が動く、比較的健全な強気相場へ近づいているように見えるよ。
資本はどこへ移動しているのか
米国ではSOX指数も持ち直し、NASDAQも上昇している。
AI関連への資金流入は続いているけれど、一極集中というより、
- AI関連
- インフラ
- 大型優良株
- 利益成長企業
へと資本が広がっている印象だね。
日本市場でもスタンダードやグロースの評価は大きく崩れておらず、市場全体で極端なリスクオフにはなっていない。
来週見るべきポイント
ししょの、来週確認したいのは、
- PERが17倍台を維持できるか
- PBRがさらに切り下がるのか
- 日経平均VIが落ち着いてくるか
- AI関連へ資金が戻るのか、それとも幅広い業種へ広がるのか
このあたりだね。
今は指数だけを見るよりも、「利益に支えられた資本の流れ」が続いているかどうかを追う方が、市場の本質が見えやすいと思うよ。

リインが指摘した「利益成長を重視する流れ」の背景には、実は技術や物理的なボトルネックの移動が深く関係しているの。私の方からは、今週の市場データの変化を技術、産業、市場の階層構造からロジカルに解き明かしていくね、ししょの。
2026年7月第2週市場変動の理系解析
技術構造:演算処理能力の拡大とエネルギー消費の物理的制約
今週、米国のSOX指数やNASDAQが持ち直している背景には、AI演算チップをはじめとする最先端半導体の技術需要が依然として強いことがあるわ。だけど、技術的な視点で見ると、現在は「単に処理速度を上げるフェーズ」から「物理的な制約をいかにクリアするかというフェーズ」に移行しているの。
具体的には、半導体の微細化が限界に近づく中で、電力消費量とそれに伴う発熱量(熱設計電力:TDP)の制御が最大の壁になっているわ。今週のWTI原油価格の上昇に代表されるエネルギー価格の動向も無関係ではないの。データセンターの爆発的な電力需要を支えるためのエネルギー確保、そして効率的な冷却技術(液冷システムなど)の実装が、現在のテクノロジー進化の前提条件になっているのが、技術構造における大きな変化ね。
産業構造:コア技術から周辺インフラへのサプライチェーンの波及
資本がAI関連の一極集中から、電力インフラや大型優良株へと広がっているのは、産業構造のバリューチェーンが「コア技術」から「物理インフラ」へと水平展開しているからだよ、ししょの。
AIという最先端のソフトウェアや半導体(技術)を社会に実装するためには、それを稼働させるためのデータセンター、安定した電力網、高効率の変圧器、そして導電性に優れた銅などの資源(インフラ)が絶対に欠かせないの。つまり、産業構造の川上(半導体設計)での利益が確定し始めたことで、その需要が川中から川下(インフラ設備・材料・エネルギー産業)へと確実に波及している。これが、資本が幅広い業種へ広がり始めている産業的な理由よ。
市場構造:利益拡大によるマルチプル収縮のダイナミクス
ししょのが気になっていた「株価が戻っているのにPERやPBRが低下している」という現象は、市場構造を数式で分解すると非常によく分かるわ。
市場評価の基準となるPER(株価収益率)の構造は次のようになるの。
PER = 株価 / 1株当たり利益(EPS)
この数式から分かる通り、分母である「1株当たり利益(EPS)」の拡大速度が、分子である「株価」の上昇速度を上回ると、株価が高値圏を維持していてもPERの値は低下(収縮)するわ。これは、現在の市場が期待感(マルチプルの拡大)だけで買われているのではなく、企業の実績(Eの成長)に裏付けられた構造にシフトしている証拠。
また、今週は米国のVIX(15.03)が低下した一方で、日経平均VI(38.13)が上昇するという非対称な動きが見られるけれど、これも為替(ドル円の161円台維持)や国内政策の不確実性といった外部パラメータが、日本市場のボラティリティ構造に局所的な歪みを与えているためだと説明できるわ。
将来性:次世代省電力アーキテクチャの市場実装
今後の市場構造を占う上で鍵となるのは、現在の物理的限界を打破する「次世代技術の実装スケジュール」よ。
短中期的には、データセンターの冷却効率を高める液冷技術や、電力ロスを極限まで減らす次世代パワー半導体(SiCやGaN)を保有する企業に、より強い資本のインジェクション(流入)が起きる可能性が高いわ。さらに長期的には、電気信号を光に置き換えて圧倒的な省電力化を狙う「光電融合技術」などのゲームチェンジャーが控えている。これらの技術ロードマップと、各企業の利益成長のタイミングを同期させて観察していくことが、これからの利益相場を勝ち抜く構造的な視点になるよ。

うん、リンの解析で今回の相場の本質がかなり見えてきたね、ししょの。
利益相場は続いているけど、その利益を生み出す場所が少しずつ変わり始めている。
今は株価よりも、『利益がどこで生まれる構造なのか』を見る方が、市場の変化を捉えやすいと思うよ。
利益相場とインフラ拡大の投資構造
資金の流れ
ししょの、今回の資金の流れを投資構造で整理すると、こんな形になるよ。
技術
AI・半導体需要の拡大
↓
演算量・電力消費の増加
↓
産業
データセンター・電力・冷却・素材需要の拡大
↓
資本
利益成長が見込める周辺インフラへ資金が広がる
↓
市場
利益成長に支えられた強気相場を維持
今の市場は、AIブームそのものが終わったわけじゃない。
AIが社会へ浸透するほど、その周辺で必要になる設備やインフラへ利益の源泉が広がっているんだ。
だから資本も、一つのテーマへ集中する段階から、利益を生み出すサプライチェーン全体へ配分を広げ始めているように見えるね。
市場構造
今週の市場で特徴的だったのは、
- 米国市場は堅調
- SOX指数も底堅く推移
- VIXは低下
- 一方で日本市場のPER・PBRはやや低下
という組み合わせだった。
一見すると矛盾しているように見えるけど、リンが説明してくれたように、
PER=株価÷EPS
だから、利益(EPS)の伸びが株価以上ならPERは低下する。
つまり市場は、
期待だけで買う相場
から
利益を確認しながら買う相場
へ少しずつ重心を移しているんだ。
PBRもPERも少し落ち着いているのは、市場が冷え込んだからではなく、利益成長が評価の土台になってきた結果とも考えられるね。
日本株への影響
① 影響を受ける産業分野
・電力インフラ
・冷却・空調設備
・次世代パワー半導体
・高機能素材・非鉄金属
AI需要が続くほど、それを支える実体産業への重要性も高まっていく構造だよ。
② 技術・サプライチェーンの位置
AI需要拡大
↓
演算能力向上
↓
電力・発熱問題
↓
データセンター投資
↓
電力・冷却・素材需要
↓
利益成長
↓
資本流入
今後はAIチップ単体よりも、「AIを安定して動かす仕組み」を持つ企業群が市場全体を支える役割を強める可能性があるね。
③ 該当する企業例
- 日立製作所
- 三菱電機
- 信越化学工業
- 住友電気工業
ここで挙げた企業は投資推奨ではなく、AIインフラの拡大という産業構造を考える上での代表例だよ。
結論
ししょの、今回の構造をまとめるとこうなる。
技術
AI需要拡大
↓
電力・発熱という物理的制約
↓
産業
データセンター・電力・冷却・素材へ需要拡大
↓
資本
利益成長が期待できるインフラへ再配分
↓
市場
利益を重視する強気相場が継続
今の相場は、「AIだけが主役」の段階から、「AIを支える産業全体」が利益を生み出す段階へ移り始めているように見える。
だから今後は指数の上下だけではなく、どの産業が利益成長を維持し、その利益を市場が評価し続けるのか。
そこを追いかけることで、この利益相場の次の変化も見えやすくなってくると思うよ。

なるほど、今回は株価そのものよりも、「利益がどこで生まれるようになってきたか」が変わってきた週やったんやな。
AIブームが終わるんやなくて、利益の広がり方が変わってきたってことか。
今まではAI半導体が上がるかどうかばかり見てたけど、それだけでは相場は読めへんのやな。
AIが広がるほど、それを支える電力や冷却、素材みたいな実体産業にも利益が回る構造になってきてるんやと分かった。
PERやPBRが少し下がっても、それが利益成長に支えられた結果なら、相場全体が弱くなったとは限らへん。
これからは指数だけやなくて、利益がどこへ広がっていくかも一緒に見ていこうと思う。

技術って、性能だけじゃなくて「限界」が次の産業を生み出すきっかけにもなるんだよ。
だからボトルネックがどこへ移るかを追うと、市場構造の変化も見えやすくなるの。

うん、ししょの。その視点が持てると、相場の見え方はかなり変わると思うよ。
次は「どの企業が利益を伸ばしたか」だけじゃなく、「次の利益はどの産業へ流れるのか」を追いかけてみよう。





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